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燃え殻著『ボクたちはみんな大人になれなかった』を読んで

最近、役者でよかったと思う日々を送っています。セトセイラです。
 
 
さてさて。様々なジャンルの本を読む私ですが、本日は今話題作の小説をご紹介。
 
 

『ボクたちはみんな大人になれなかった』の話題性

 

ボクたちはみんな大人になれなかった

ボクたちはみんな大人になれなかった

  • 作者:燃え殻
  • 出版社:新潮社
  • 発売日: 2017-06-30
私がこの本を買った理由。それは、口コミ評判があまりによかった為だ。Twitterで騒がれまくり、私の大好きな図書館までもがこの本の入荷を喜んでいた。これは、、、読むしかない。と思い、本屋さんに向かうがまさかのどこも完売。しかも、出版元の在庫切れにより、取り寄せすらできない状態。何件目かの本屋で何とか手に入れる事ができた。帯のコメントも錚々たるメンバーで糸井重里さん、堀江貴文さん、小沢一敬さんに吉岡里帆ちゃん…!?
 

 
Twitterでは予告Vがアップされていて、この小説の世界観のどこか孤独感のような感情を訴えかけている。そもそも、作者の『燃え殻』さんって誰!?という風に思った方も多いのではないだろうか。燃え殻さんは本作がデビュー作で、元々Twitterで有名な人なんだそうだ。普段はテレビの美術制作の会社で働いている一般人枠で、軽い自虐的な内容が面白いと評判を呼び、なんとフォロワー数が9万人超え・・・!?インタビュー記事も読ませて頂いたのだが、小説を書くきっかけがすごい。燃え殻さんは小説をそもそも書いた事がなく、なんなら長編で何かを書くという経験もなかったそうだ。そんな中、『小説を書いてみないか』というご縁があり、webマガジンの『caks』(※誰もが有料、または無料で様々な作品を世の中に発信する事のできるサイト)にて始まった連載をこの度本にまとめたそうだ。その連載で話題が話題を呼び、6月30日に発売された本は、amazonの順位も一気に総合14位の即品切れ。全国の大型書店でも品切れ店が続出という、本を買う人が少なくなったこのご時世にまさかの発売即重版が決まったという凄まじいヒット作だ。
 
 

 
 

・ものすごく簡単な、ネタバレしない程度のあらすじ

 
amazonさんによるとこの小説のあらすじは以下の通り。
 

17年前、渋谷。大好きだった彼女は別れ際、「今度、CD持ってくるね」と言った。それがボクたちの最終回になった。17年後、満員電車。43歳になったボクは、人波に飲まれて、知らないうちにフェイスブックの「友達申請」を送信してしまっていた。あの最愛の彼女に。

とっくに大人になった今になって、夢もない、金もない、手に職もない、二度と戻りたくなかったはずの“あの頃”が、なぜか最強に輝いて見える。ただ、「自分よりも好きになってしまった人」がいただけなのに……各界で“オトナ泣き”続出、web連載中からアクセスが殺到した異色のラブストーリー、ついに書籍化。

出典 amazon『ボクたちはみんな大人になれなかった』商品ページ より

 
 

・『ボクたちはみんな大人になれなかった』を読んだ感想

 
この小説は作者である燃え殻さんの実体験を元に描かれている。その為、主人公目線で物語は展開されていくのだが、この本はどこまでもリアルで、どこまでも普通で、どこまでも他人事ではないそんな日常を描いている。特別に才能がある訳でもなくて、特別にかっこいい訳でもなくてそんな普通の、むしろ少しダサい自分。そんな主人公が、ブスだけど誰よりも愛した唯一の女性との思い出を大切に大切に見つめている。なんでもない日常が、とんでもなく愛おしくて。特別ではない、特に何もないそんな人生。でも空っぽなんかじゃ全然なくて、そんな言葉にはできない思いと、誰の心にも確かにあるどうしようもない孤独感を抱えながら『大人になっていく』ようで『なりきれていないのかもしれない』。でも、確かに歩んできた自分のこれまでの道には大切な人がいて、居たはずで——。
 
 
 
この物語は、誰しもがこの物語のどこかしらの時間は他の誰でもなく、自分が主人公になり得るのではないだろうか。まるで自分の過去の大切な記憶であったかのような感覚に陥る。読めば読むほど自分の中のどこかにいる『本当の自分』の匂いを感じる事のできる作品だ。気付けば涙が溢れてきて、泣いているのは主人公なのか、この小説を読んでいる自分なのか。それがなぜ泣いてしまった涙なのかも正確に言葉に表す事ができなくて。確かなのは、この本に何度か書かれている『うれしい時に、かなしい気持ちになる』という言葉の意味が、すとん、っと私の心に落ちる音がした。
 
 
 
誰もが抱える、孤独と、飢えと、ダサい自分と、ズレてる自分と、必死に守りたかった何か。
 
 
 
そんなもの達が、これでもかという程美しい言葉で丁寧に丁寧に描かれていて、読んだ文字、一文字一文字が優しく、でも確実に私の中に入ってくる。読み終わった後、しばらく言葉が見つからなくて、気付いたらただただ、涙が溢れていました。そんな素敵な小説。この本は大切に大切に御守りとしても持っていたい。
 
 

・この本はこんな人にこそおすすめ

 
特別ではない、どこまでも普通の人だと思う人にこそ読んでもらいたい。自分の中にある言葉にできなかった日常の感情に名前が付けられていくような、そんな感覚で改めて自分の中の『大切な感情』と出会えるかもしれない。記憶の奥底の大切な人の思い出が溢れてくる。読み終わった後は、ふと、『あ、あの人にまた会いたいな』とかそんな事を思って、でも、きっと何もしないまま今の幸せを実感するのも良し。『大人になれなかった』自分を見つめながら、変わらぬ日常をまた歩みだすのも良し。何れにせよ、なんとなくすっきりとした、清々しさが待っている事だろう。是非、読んで頂きたい。
 
大人への階段は登ることしかできないのだから。
 
ボクたちはみんな大人になれなかった

ボクたちはみんな大人になれなかった

  • 作者:燃え殻
  • 出版社:新潮社
  • 発売日: 2017-06-30
 
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